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兵庫県立美術館
阪神大震災の折、老朽化が進んでしまった兵庫県立近代美術館が、名前を変え、神戸の王子動物園前から、岩屋の海辺に、2002年移築された美術館がここ。
名前が変わって、何が変わったのかというと。
身動きが取れやすくなったらしい。
近代、という名前では、近代の芸術しか扱えないことだが。
その一言が取れただけで、一気に展示出来るものの幅が広がったと言う。

第一回目の特別展は、たしか、世界の名品展か何かだった。(公式サイトにも載ってないよ。何故。)
大原美術館から数点来ていたのは覚えているのだけれど。。。
その後、ゴッホ展、クリムト展などがあったけれど、どれも私は行かなかった。
今思えば、損をしたような気がするが、当時、それらにさほど興味が無かったのだと思う。クリムトに関しては、毛嫌いしていた。今は凄く好きだけど。
ここに行ったのは、昨年の東山魁夷展が初めてだった。
そして、ヴィトン展。(両方タダ券で・笑)

このような展示の流れだけ見ていても、やはり多彩。
建物も綺麗だし、場所も良い。
県下最大の美術館であるし、それなりになっていると思う。

近代美術館の時も、建物が異彩を放っていたが、この県立美術館も美術館としては、特異な建物となっている。
建築者は、かの有名な安藤忠雄。
やっぱりな!という感じ。
何度行っても、迷子になる。
展示室を跨ぐのに、屋外を通らなければならないと言う設計。
さらに、階段の多さと言ったらない。
客泣かせ、管理者泣かせ。
「こんな建物を美術館に使えるモンなら使ってみろ!」「俺の造った建物を堪能しろ!」という心がありありと見られる。
まったく、変人には困る。
まぁ、楽しいから良いけど。

私は大学で、博物館学芸員資格過程習得中なわけですが。
現在、実習の授業を受け持ってくれている先生が、この美術館の学芸員さんなのです。
現場の生の声と言うやつが聞ける。
学芸員になるのは、大手企業に就職する以上に大変なんですが、
どうせなれると思っていないので、話が聞けるだけで楽しいんです。

そんな今日。
授業の一環で、美術館見学会。
現在の特別展は、『ドレスデン国立美術館展』
副題には「壮麗なるドイツ・ザクセン公国の至宝」「世界の鏡」などと表されている。
前者意味は分かったけど、後者、どの辺が鏡なのか、見て来た今も分からない。
さらに、フェルメールがメインで来るということで、大量の集客数が見込まれ、展示品の高さが、いつもより上に設定され、本来なら駄目だと思われる程度に、見づらかった。
日曜日だったので、人は多かったが、込み合って薦めないほどでもなかったように思う。

しかも、フェルメールが大々的に宣伝されているので、絵画がメインだと思っていたこの展覧会。
絵画以外の芸術品が多くを占めていた。それにまずショック。

中でも、マイセンが数多く出展されていたのには驚く。
マイセンと言えば、なんでも鑑定団を見るものにとっては馴染み深い。
けど、ナマで。あんなたくさんのマイセン、初めて見た。感動。
それらは、日本の陶磁器の複製で、元となった日本の品と並べて展示されていて、分かりやすく、美術館側の展示法に対する情熱が、伝わってくるように感じた。

レンブラントの『ガニュメデスの誘拐』が一番印象的だった。

フェルメールは・・・・相変わらず、私のトラウマを克服してくれない。悪い意味で、期待を裏切らない。
フェルメールとの、はじめての出会いは、私が高校生(だったと思う)の時、大阪市立美術館であった「フェルメールとその時代」展だった。
当時、大々的に宣伝され、私は親に連れられて行った。
雨の中、美術館の外で、行列になって入場を待たされ、
中に入ってからも押し合いへし合い。
やっとの思いで見たフェルメールは、どれも小さい作品。
さらに、4点ほどしかない!重点はその時代、だった。
今なら分かりますよ。フェルメールは世界中でも30点ほどしか発見されていないとか知ってますからね。4点一気に来たのが、凄かったのは分かります。
でも、当時、フェルメールに関して何の知識もない人間にとって、あの仕打ちと言ったら、もぅ。許せないものだった。
以来、現在まで、何点かフェルメール作品をナマで見る機会もありましたが。未だに良さが見出せないでいる。

あと、ドイツロマン主義の絵画数々。
複製や印刷では出せない“味”が、これらにはあるな、と思った。
印象派絵画は、複製にしても綺麗と思うのよ。きっと。

今回は、ドレスデンと言うことでドイツの舞いが館外の通路で見れたりした。すごかった!
学芸員の先生の話もいっぱい聞けて、満足して帰ってきた。
週末、また行くんです。今度は常設など見に。楽しみ。
そうこ。: 美術館・博物館のこと。 | comments(0) | trackbacks(0) |

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